当社は従来の加工機器単体の板金加工生産体制から、マシンとブランクソフト、曲げソフト、生産管理システムなどが有機的につながる「総合ネットワークの構築」を実現しており、工場の加工実績やマシン稼働率を把握・分析することで様々な改善につなげています。
薄物筐体用板金加工の場合、熟練工による材料どり~抜き打ち~バーリング~曲げ等の高度な作業が必須で作業コストも高くなりますが、当社では総合ネットワークを構築することにより、作業コストも合理的に引き下げることに成功しました。
これに伴い、カスタマーデザイン段階から最終製品生産までシームレスに参画・対応することでワンストップサービスが実現、受注の確保が可能となりました。
当社製品は電子機器・通信機器等に使用される筐体、あるいは構成部品に多用されており、多品種少量生産の要望が強いものも多く、デザイン性に優れた加工も要請されています。
特に仕様入手から製品化までのリードタイム短縮のため、CADデータから加工図面及び、製造用CAMデータ作成まで社内でデータ処理も行っています。
加工にあたっては抜き打ち~バーリング~曲げ~タッピング等の諸工程をCAMで自動加工機に指示を行うことでスピーディーかつ、ロスの少ない工法を確立しています。
このようにカスタマーのデザイン段階から最終製品までシームレスに参画・対応することで、ワンストップサービスが実現し、納期短縮と受注の確保につながっています。
・Dr.ABE_Blank
必要な部品を必要数登録すると、AI機能により、複数部品を自動割り付けして加工データを全自動で作成することができます。
・最適な歩留りとなり、材料ロスが最小限になり、加工機の稼働率が上がります。
・母材サイズに合わせ、隙間に優先的に配置をし、極力パーツ間の隙間を無くし、材料歩留り率を向上させます。
・Dr.ABE_Bend
ブランク加工の部品データを使い、曲げ加工のプログラムを全自動で作成することができます。
・事務所での作業となるため、段取りを考えるために機械を停止することが無く、試し曲げ無しで生産に着手でき、実加工率が上がります。
・人材育成時間も大幅に短縮でき、世代交代の負担も減少させています。
3次元ソリッド板金CADシステム(Sheet Works for Unfold)を導入、得意先から3次元データを入手して複雑な形状も全自動で展開図作成が可能になっています。
さらにAI機能を活用したブランク材の歩留り向上、曲げプログラムの外段取り化による機械稼働率アップを次のテーマに取り組んでおり、ワンストップサービスの向上を目指しています。
90°のプレス曲げ加工精度は±0.5°、また穴あけピッチ±0.05~0.1を実現するためにプレス加工行程中における板材の反発力、加工深度を自動計測しながら、加工作業に反映する最新の設備導入により、材料や製品形状のバラツキにも左右されない、高精度かつ高速のプレス加工を実現しています。
CAD/CAM処理・高性能新鋭機等の導入にとどまらず、カスタマーより入手したCADデータから、直ちに少量~大量生産まで一貫して実行できるデジタル板金業を目指しています。
そのために新たなソフトウェアの導入およびコンピューター室と現場を一貫して運用する企業統治システムの構築を図って参ります。